マットレス直置きのための”すのこ”利用
すのこ利用のメリットとデメリット
マットレス直置き時”すのこ利用”のメリット・デメリット
マットレスを直置き利用するために、”すのこの必要性”をアピールしている情報サイトを多数見かけますが・・。
住宅設計・環境計画に携わっている建築士として、お伝えしておきたいのが。
ということです。
スノコの種類によっては、逆効果を生じてしまうものも存在しているんですよね。
「すのこの問題点とは何なのか?」
その理由と共に、すのこの適切な利用方法及びマットレス直置きにて、最適な対処方法(カビ対策)などを
ご紹介したいと思います。
マットレス直置き時に”すのこ”を活用するデメリットとは?!
マットレスをフローリング床などに直置きした時に、課題となるのが「マットレス底部の湿気」です。
湿気をそのまま放置してしまうと”カビの発生”に繋がってしまうことに。
この”マットレス底部の湿気”の課題を解決する方法として、取り上げられているのが「すのこの活用」です。
ただ、実際にすのこを使用してみて感じるのが、「すのこ利用のメリットがほとんど感じられない」ということ
なんですね。
そう・・結局、すのこ利用は有効ではないことに気が付くのです。
まずは
をご紹介してみたいと思います。
すのこ利用の課題点1:結局、マットレスとすのこの陰干が必要に。
確かに、すのこを利用することによって、マットレス底部の通気性が確保されますので、湿気をある程度、排除することができます。
でも、実はマットレス内部の湿気の大半が残ったまま。吸湿性のある木製すのこには、湿気が蓄積されています。
結局、季節・環境によって必要頻度は異なりますが、「3日に一回」少なくとも「一週間に一回」程度は、マットレスとすのこの
陰干が必要なのです。
すのこを利用しているからといって、そのまま陰干せずにいると”すのこ自体にカビが発生”したり、”マットレスのすのこ接地部分にカビが発生”してしまうことに。
通常の居室環境下(適切な湿度環境)であれば、マットレスのみで直置き利用している時も、「3日に一回程度」マットレスを立て掛けて
陰干すれば、カビの発生は防げます。
だったら、すのこ利用は意味がないと思いませんか?
”すのこ”がある分、余分な手間がかかってしまいますよね。
すのこ利用の課題点2:畳・フローリング・カーペットが傷むことに。
マットレスの直置き時に利用する”スノコ”の大半が木製です。
そんな木製すのこをフローリング上に置くと、フローリング表面にキズが沢山付いてしまいます。(すのこの種類によって)
畳やカーペットにすのこを敷くと重さでスノコの跡がくっきりと残ってしまい、畳は擦り切れてしまうことも少なくありません。
就寝中、寝返りをするたびに、スノコも動きますので、床(フローリング、畳み、カーペット)が傷ついてしまうわけです。
これは、大きな問題ですよね。
すのこ利用の課題点3:フローリングにすのこを置いたときのガタツキ
実は住宅のフローリング床って、案外、平ではなかったりするものなんです。
「3/1000~6/1000」といった床の傾斜のある住宅も多々存在しています。傾斜だけでなく、”段差”や微妙な”歪み”も存在している
んですよね。
木製すのこのも平ではありません。
ゆえに、フローリング床にすのこを置くと、微妙な”ガタツキ”が生じることが多々あるのです。
すのこは使用していく内に、歪みが増していきますからね。さらなる、ガタツキが生じて来る可能性があります。
人によっては、この微妙なガタツキが睡眠阻害要素となることも。実際に私も過去に”すのこ”の微妙なガタツキ感によって、睡眠が阻害された
体験があります。
マットレスに適したすのこの材質・種類とは?!
”すのこ”にも様々な用途があり、種類も豊富に存在しています。
すのこの使用されている素材としても
●プラスチック系素材
●木材
●FRP・カーボン素材
などがありますが、一般的な”すのこ”の大半が木製となっています。
マットレスの下敷き用としては、”吸湿性”を有していることが重要な機能となりますので、必然的に「木製(木材)のすのこ」
が対象となります。
”すのこ”に使われている木材としても
●ひのき
●スギ
●桐
などがありますが、「調湿性能(吸湿性)」の高さから、最もマットレス下敷き用に適しているのが”桐仕様のすのこ”です。
”ひのきのすのこ””スギのすのこ”と比較して、”桐のすのこ”は高価なアイテムですが、マットレスにスノコを使用するなら”桐”
を選ぶようにしたいものです。
マットレス下敷き用に活溌された専用すのこ(すのこベット)の活用
フローリング床に直置き利用が可能な機能性マットレス(※BEST5※直置き可能なマットレス)
を使用していない場合(一般的な敷布団など)は、やはり”すのこ”を利用することが望ましいです。
そんな時に、”すのこ”を選ぶのであれば、ぜひ、「マットレス下敷き用に活溌された専用すのこ(すのこベット)」を選択して
いただければと思います。
マットレス専用のすのこには、「すのこの課題(デメリット)」を緩和するための、いくつかの工夫が施されているからです。
ロール式のすのこが最適!
そもそも、”ベッド利用”ではなく”直置き”としたいのは、ベッドのような余分な家具を排除して、部屋を効率的に活用したい
からですよね。
マットレスを壁に立て掛けるだけで、臨機応変に部屋が広く活用できるのが”マットレス床置き”の魅力です。
それなのにも関わらず、一枚の板のように作られた”すのこ”を利用してしまっては、ベッドを利用しているのと、あまり変化は
ありません。
そこで、”マットレス床置き”の利点を失わないために、おすすめなのが「ロール式すのこ」です。
上記写真のように、ロール状にすのこをコンパクトにまとめることができるのがポイント。
これなら、部屋を広く使用した時にも十分対応できますし、引っ越し時においても、手軽に持ち運びが可能となります。
すのこの脚部(床接地面)にクッション材が設置。
フローリング床上ですのこを利用する時に最も注意したいのが、「フローリングをキズ付けること」です。
一般的な木製すのこでは、フローリング表面に沢山のキズが付いてしまいます。
そこでおすすめなのが、すのこの脚部(床接地面)にクッション材が設置された「マットレス用すのこ」です。
クッション材が設置されていることによって、フローリングが傷つきません。
また、すのこのガタツキは生じてしまうことがありますが、その際の「ガタツキ音」が少なくなるのもメリットに。
すのこ表面の凹凸加工(通気性)
一般的な”すのこ”は、表面が平らな形状となっています。そんなすのこでは、スノコとマットレス(敷布団)が
設置している部分の通気性は損なわれてしまいます。
そんな課題に対する工夫となるのが「すのこ表面の凹凸加工(溝)」です。
上記写真のように、すのこ表面に溝が彫られた形状とすることで、マットレス・敷布団との接地面の通気性が高められることに。
マットレス直置きにて、すのこを利用するのであれば、”溝加工”が施された商品を選ぶようにしていただければと思います。
例えば、こちらの”桐すのこ・風(ロール式)”がここまで上げた3つの工夫(ロール式、クッション材付き、溝加工)が施されている
マットレス直置き用すのことなっています。
マットレス直敷き時の”湿気対策”に最適な「除湿シート」
マットレスをフローリングなどに直置きして利用する時に「すのこは有効ではない」というお話をさせて
いただきました。
ここで、もうひとつ「すのこを使わないほうが良い」と考える理由を付け加えておきたいと思います。
それが・・。
*”すのこ”よりもマットレスの湿気対策として、はるかに効果的・機能的な「除湿シート」が存在している。
ことなんですね。
マットレス・敷布団のフローリング床置き用として開発された”除湿シート”には、下記のような大きな利点
(機能性)があります。
●マットレス内部の水分(湿気)を積極的に吸湿してくれる。(高い吸湿力)
●フローリングをキズ付けることは無く、すのこと違ってガタツクこともない。
●手軽に天日干しが可能で、吸湿した水分を素早く発散(乾燥)させることができる。
●収納時に邪魔とならない。
●汚れた時に洗濯ができる。
すべての点において、”すのこ”よりも”除湿シート”の方が機能的なわけです。
すのこを積極的に使用する意味はありませんよね。
- マットレス専用除湿シート「モットン除湿シート」
まとめ
”すのこ”には「通気性を確保する」という機能性(メリット)がありますが、実際に使用し始めると、
スノコ利用によるデメリットが気になるようになるものです。
マットレス直置き時の”湿気対策”として、”すのこ”よりも全ての面にて、機能性が高く、効果的な「マットレス用除湿シート」
がありますので、除湿シートの利用がおすすめに。