フローリングに直置き可能なマットレスとは!?

直置き可能なマットレス

近年、”ベッド不要”のフローリングに直置きできる機能性マットレスを利用する方が増えています。

フローリング仕様の寝室で直置き(床置き)可能な機能性マットレスの魅力(メリット)

一級建築士として長年、住宅設計を通じて、おすすめしているのが「ベッド不要の床置き可能な機能性マットレスの活用」です。

”ベッド”は欧米の土足文化の住宅環境にて創出されたアイテム(寝具)。そもそも土足厳禁の日本家屋(住宅環境)では基本的に不要(ベッドの機能性が活かされない)の要素なのです。

更に欧米住宅では、寝室面積が広く、天井高も高い空間となっていますので、ベッドを配置しても寝室を圧迫することはありませんが、狭い寝室&低い天井高の日本の寝室環境にて、ベッドを配置してしまうと寝室の大半がベッドで占められてしまうことに。

寝室空間をもっと有効活用・自由度の高い空間とするためには、ベッドを排除。「敷布団」「マットレス」のみの利用がおすすめとなります。ベッドがなければ「お部屋の模様替え」なども容易にできるようになりますからね。

現代日本住宅の寝室は「フローリング」に!「敷布団」から「機能性マットレス」へ

現代日本住宅の寝室は「フローリング」に!

一時期に比べるとここ数年で若干「和室(畳)」が増え始めていますが、基本的に現代日本住宅の寝室の床は「畳」が減少、大半が「フローリング」へと変化しています。

「フローリング床」への変化に伴い、減少傾向となっているのが「敷布団」。敷布団だけではフローリング床に敷いて利用することが出来ないからです。(身体を痛めてしまうため)

そんな状況に合わせて、新たに開発されたのが「フローリングに直置き利用できる機能性マットレス」です。ちなみに従来の「ベッド用マットレス」も原則、フローリングに直置き利用することが出来ません。

近年のミニマリスト(余分な物を持たない生活スタイルを好む人)増加も重なり、床置き可能な機能性マットレスの需要が拡大しています。

人気の直置き(床置き)可能な機能性マットレス

フローリングに直置き可能な機能性マットレスの「特徴」「選び方」に関する情報をお話する前に、まずは現在人気の【最新】床置き可能な機能性マットレス「BEST5」をご紹介したいと思います。

※尚、アイテムの紹介順序に特別な意味はなく、あくまでも「特徴(個性)の異なる人気アイテム5選」という位置づけで記しております。

IWONUマットレス

IWONUマットレス

*ブランド(国):日本(製造:イタリア)
*機能性:高反発マットレス
*サイズ:セミシングル、シングル、セミダブル、ダブル、クイーン
*素材:オープンセル構造高反発ウレタンフォーム(複層)
*硬さ:120N~180N(※数値が大きいほど硬い)
*厚さ:22cm
*重量:15.4kg~27.8kg

●「IWONUマットレス」の特徴
・本格的なベッド用マットレス同様の「厚み(22cm)」(ベッド用マットレス感覚)。
・硬さの異なる3種類のウレタンフォームを使用。上下反転させることで、自分に適した”寝心地の良い硬さ”を見つけることが可能に。
・手軽に「3分割」することが可能。押し入れなどへコンパクトに収納することが出来ます。

「IWONUマットレス」公式HPはこちら

【メリット&デメリットの評価】IWONUマットレス!自分好みの硬さに調整可能な高反発マットレス

Mottonモットン・マットレス

Mottonモットン・マットレス
モットンマットレス

*ブランド(国):日本
*機能性:高反発マットレス
*サイズ:シングル、セミダブル、ダブル
*素材:オープンセル構造高反発ウレタンフォーム(単層)
*硬さ:140N~280N(※数値が大きいほど硬い)
*厚さ:10cm
*重量:7.5kg~10.7kg

●「mottonモットン・マットレス」の特徴
・高反発ウレタンフォーム単層構造のため手軽にリバーシブルで利用可能に。
・三つ折り(専用ゴムバンド利用)にして押し入れなどに収納が可能。
・手軽にマットレスを壁面に立てかけて、「陰干し」することが出来ます(カビ対策)。
・身体特性(身長・体重)に合わせて、3種類の”硬さ(ソフト、レギュラー、ハード)”が選べる腰痛対策マットレスに。
・移動が容易(軽い)で寝室の掃除がしやすく、寝室の利用自由度が高くなります。

「mottonモットンマットレス」公式HPはこちら

【メリット&デメリットの評価】Motton(モットン)マットレス!硬めが好みの方に

SOMRESTAマットレス PREMIUM

SOMRESTAマットレス PREMIUM

*ブランド(国):日本
*機能性:高反発マットレス
*サイズ:シングル、セミダブル、ダブル
*素材:SOMRESTAフォーム(複層)
*硬さ:154N(※数値が大きいほど硬い)
*厚さ:10cm
*重量:9.6kg~13.8kg

●「SOMRESTAマットレス PREMIUM」の特徴
・2020年度グッドデザイン賞受賞!デザイン性&機能性が評価。
・高吸放湿・消臭・抗菌防臭・防ダニなど機能を有したマットレス。
・ゆとりのある寝心地感が評価の高い「セミダブル」が人気アイテムに。
・手軽にマットレスを移動することが可能。寝室の掃除がしやすい環境に。

「SOMRESTA」公式HPはこちら

雲のやすらぎプレミアム

雲のやすらぎプレミアム

*ブランド(国):日本
*機能性:高反発マットレス
*サイズ:シングル、セミダブル、ダブル
*素材:オープンセル構造高反発ウレタンフォーム(複層)
*硬さ:135N~140N(※数値が大きいほど硬い)
*厚さ:13cm、17cm
*重量:7.4kg~9.8kg

●「雲のやすらぎプレミアム」の特徴
・「マットレス」「三つ折りマットレス」「敷布団タイプ」の異なる形状の3種類があります。(すべてフローリング直置き利用が可能)
・「春夏用」「秋冬用」としてリバーシブルで使い分けが可能です。
・多機能性(高吸放湿・消臭・抗菌防臭・防ダニなど)を有したマットレス。
・多くのアスリートたちが活用しているアイテムです。

エマ・スリープ

エマ・スリープ

*ブランド(国):ドイツ
*機能性:高反発マットレス
*サイズ:シングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キング
*素材:オープンセル構造高反発ウレタンフォーム(Airgocellフォーム etc、複層)
*硬さ:70N~120N(※数値が大きいほど硬い)
*厚さ:25cm
*重量:17.5kg~31.5kg

●「エマ・スリープ」の特徴
・世界で200万人が愛用、ドイツの厳しい品質基準をクリア&繊維製品の安全証明であるOEKO-TEX(エコ・テックス) STANDARD100を認証取得されています。
・「10年長期保証」の安心して長く愛用できるアイテムに。
・高級ホテルで寝ているような睡眠環境が得られる快眠マットレス。

床置き可能な機能性マットレスの直置き対策方法(使い方・選び方)!

機能性マットレスを購入&床置き利用する上で「心得ておきたい要素(知識・知恵)」がいくつかあります。

ここでは、特に認識しておきたいマットレスの直置き対策方法(利用上の注意点・マットレス仕様条件)に関する情報をご紹介いたします。

「フローリング」にマットレスを直置きする場合の注意点!

現代住宅の大半にて寝室は”フローリング床”となっています。主に「掃除のしやすさ」「ダニが繁殖しにくい」 といった特性が重要視されるようになったことで、フローリング仕様が増加することとなりました。

そんなフローリング仕様の寝室にて、マットレスを床置き利用する上で課題となるのが

●床の冷え
●床の硬さ

です。

”床の冷え”は「マットレス底部の結露」「背中面からの寒さ」をもたらす要因となるもの。この”床の冷え対策”として重要な機能性となるのが「マットレスの断熱性」となります。

また”床の冷え”がマットレス底部での結露(カビ発生)に繋がることがあります。寝室の床面が冷えやすい環境の場合は結露を防いでくれる調湿機能付きシート(除湿シート)の利用を心がけていただければと思います。

”床の硬さ”は睡眠時の腰痛・背中の張りなどをもたらす要因となります。

床の硬さが身体へ伝わらないようにするために、「マットレスの厚み(7cm以上)」「マットレスの支持力」がとても大切な 要素となっています。

【POINT】フローリング床の場合の注意点!
●マットレスの断熱性
●マットレスの厚み(7cm以上)
●高い支持力
●調湿機能付きシート(マットレス用除湿シート)の活用

「畳」にマットレスを直置きする場合の注意点!

「畳」にマットレスを直置きする場合の注意点!

昭和の時代と比較して”和室(畳床)”を有する住宅は大幅に減少していますが、現在、減少傾向は下げ止まり。 「置き畳」など新たな形での畳利用が生まれています。

もともと”畳床”は敷布団(床敷き)との相性が良い床仕様。

フローリング床へのマットレス直敷きにて生じやすい課題点(硬さ、結露など)が畳床では軽減。最もマットレスの床敷き に適した床仕様となります。

ただし、過信は禁物。現代の「畳床」の場合、従来の天然イ草仕様の畳ではなく、新素材(化学繊維など)で作られた畳(もどき)が存在しています。

マットレスの床置きに適しているのは、あくまでも調湿機能を有している「天然イ草の畳」です。新素材によるイミテーション畳の場合は、「フローリング」と同様の対応が必要となります。

「カーペット(カーペットタイル)」にマットレスを直置きする場合の注意点!

「カーペット(カーペットタイル)」にマットレスを直置きする場合の注意点!

”カーペット(カーペットタイル)床”も畳同様に適度な「断熱性」と「クッション性」を有する 床仕様となっています。

ただ、「畳(天然イ草)」の場合は抗菌作用を有していますが、基本的に「カーペット」は抗菌作用がありません。

故にマットレスを敷きっぱなし状態で利用するのは厳禁。「一回/2日」くらいの割合でマットレスを壁に立てかけ、影干しするようにしていただければと思います。

マットレス底部にカビが繁殖する原因とは!?(床置きのデメリット対策)

マットレス底部にカビが繁殖する原因とは!?

ネット上にて、単純に「マットレスを床に直置きしたらカビが生えるからダメ」といった情報が存在していますが、 そこには大きな勘違いがあります。

「マットレスを床置きする」から結露が生じてカビが繁殖するのではなくて。

室内環境(寝室)が不適切な状況(多湿、換気不足)だからマットレスに結露が生じ、カビの発生に繋がっているのです。

ですから、好ましくない寝室環境だった場合は「マットレスの床置き利用」に限らず「ベッド利用」の場合でも、マットレス底部(ベッドフレームとの接触面)に結露が生じてカビが発生することと なります。

マットレスにカビが繁殖する直接的な要因は

●湿度(多湿)
●換気不足(寝室の気流が無い)

です。

近年、「加湿器」の利用者が拡大していることが居室内の”カビの増殖”を招く要因ともなっていることをご存知ですか?

地域環境によっても大きな差がありますが・・・。本来、加湿器を必要としない住環境となっているのにも関わらず、冬季節だからと闇雲に加湿器を利用している方が 少なくないのです。

安眠を得る上で適した湿度環境は「湿度40%~55%の範囲内」と言われています。

加湿器を利用することで「湿度60%以上」となっているケースが多く存在。「湿度70%以上」ともなると急激に カビが繁殖する環境となるとともに、各所で結露が生じることに繋がります。

*不適切な加湿器利用は要注意

であることを忘れないようにしていただければと思います。

ここでは、マットレスを床置き利用する上で「結露・カビの発生を防ぐための5つの対策」をご紹介しておきたいと思います。

カビ対策1:寝室を適度な湿度に保つ。適切な換気

カビ対策1:寝室を適度な湿度に保つ。適切な換気

寝室内の結露・カビの発生を防ぐために必須な要素となるのが「適切な換気を行うこと」です。

逆に言えば「換気不足の部屋」「高湿度の部屋」では、マットレスを床置きしなくとも、マットレスに カビが発生してしまいます。

それゆえに、天気の良い日には、窓を開けて寝室の空気の入れ替えを行うことで、室内の余分な湿気を放出。 夏場は積極的に「エアコンを利用した除湿」を心がけカビ胞子などを排除することが大切なポイントとなります。

寝室の気流(弱い空気の流れ)を確保するためには、現在の住宅にて設置が義務付けられている 「24時間換気システム」を効果的に活用することが必須となります。

貴方は、寝室の給気口(自然給気)の定期的な掃除をしていますか?

給気口(自然給気には、フィルターが設置されています。

そのフィルターを”三ヶ月~半年に一度”は水洗いをする必要があるのです。フィルター掃除を 怠っていると、給気口を開けていたとしても、必要な換気が行われないことに。

マットレスの結露・カビの繁殖を促すこととなってしまいますので、ご注意ください。

カビ対策2:マットレス専用除湿シートの活用

マットレスの床置きにても最も積極的&効果的な結露・カビ対策となるのが「マットレス専用除湿シートの活用」 です。

年々、様々なメーカーからマットレス専用除湿シートが販売されるようになってきています。

それだけ需要が増しているということですね。

除湿シートは天気の良い日に日干しすることで、除湿機能が回復。何度も繰り返して使用していくことが できる優れものです。

もちろん、洗濯も可能。

マットレスを床置き利用する時には、マットレス専用除湿シートを使用して損はありませんので、積極的に 活用するように心がけていただければと思います。

マットレスのカビ対策として、「除湿シート」が良いのか「アルミシート」が良いのかの比較及び使い分けに 関して、下記記事にて記していますので、ご参照いただければと思います。

マットレス直置きのカビ対策!アルミシートvs除湿シート

カビ対策3:すのこの活用

カビ対策3:すのこの活用

”すのこの活用”もマットレス底部の結露・カビ繁殖を防ぐ上で一定の効果が認められます。

ただし、先ほどご紹介した「除湿シート」と比較すると効果が低くく、「洗濯ができない」「フローリングを傷つける可能性あり」 などのデメリットが存在しています。

「マットレスとスノコとの接触音やガタツキ」などの問題が顕在化するケースもありますので、私としては、 「除湿シートの活用」をおすすめいたします。

※「すのこ利用」に関しては下記記事にて、詳細に情報掲載していますので、ご参照いただければと思います。

マットレス直置き時のすのこ利用のメリットとデメリット

カビ対策4:「南側の部屋」を寝室に。

カビ対策4:「南側の部屋」を寝室に。

冒頭でお話したように、「寝室環境」が結露・カビの発生に最も大きな影響を与える要素となります。

そういう意味で寝室を結露が生じやすい”北側居室”とするのではなく、結露が生じにくい”南側居室” とすることもカビ発生を防ぐための効果的な対策となります。

特にフローリング床の場合、北側居室では、冬時期などフローリングがかなり冷える傾向があります。

フローリングが冷たくなると結露が生じやすくなりますので、冷えにくい南側居室の方が有利となるわけです。

カビ対策5:マットレスの陰干

カビ対策5:マットレスの陰干

マットレスを床置き利用する上で日々の適度なお手入れが重要な要素となります。

毎日行う必要はありませんが、”3.4日に一度”程度を目安にマットレスの陰干を行うようにしましょう。

なるべくお天気の良い日を選んで、寝室の窓換気(窓を開放)と併せて行うと効果的です。

特別難しいお手入れをする必要は無く、マットレスを寝室の壁に数時間程度立て掛けておくだけでOK。これでマットレス底部の湿気を除去することができます。

モットン・マットレスなどリバーシブルで使用出来るマットレス の場合は、この陰干後に表裏を入れ違えて利用するとマットレスの耐久性向上にもつながります。

お洒落(おしゃれ)なマットレス直置きプラン

【マットレス直置き】お洒落(おしゃれ)な寝室へ!厳選アイテム「3選」

まとめ

ベッドの無い寝室空間とするだけで「寝室の掃除のしやすさ」「模様替えのしやすさ」が格段に向上します。ここ数年でフローリングへ床置き可能なマットレスの機能性も大幅にアップしています。

大半のアイテムにて「お試し期間(無料交換など)」が設定されていますので安心して購入できるのも嬉しい要素に。

2022年9月7日

Posted by ss-style